10年と2ヶ月で行政書士試験に合格した私のブログ

実質2ヶ月の独学で行政書士試験に合格するための勉強法

独学2ヶ月で行政書士試験に合格した勉強法

実質2ヶ月で行政書士試験に合格した勉強法について公開したい。

 

ブログタイトルに「10年と2ヶ月」とあるのは、私が約10年前から行政書士試験に挑戦していたからだ。その10年がどのようなものであったかは今後書き記す。

初めに言っておきたいのは、行政書士試験が2ヶ月で合格できる試験だからといって、レベルの低い試験であると勘違いしないでほしい事だ。短期間で合格できる人がいるならそれはその人が凄いだけで、試験のレベルが低いからでは無い。仮にテキストを読んでレベルが低いと感じたならば、どうぞ更に上位の資格に挑戦して欲しい。

そして、「一発合格」を一番の目標にしないで欲しい。一発合格を目標にしていると、一度不合格になっただけで挫折を感じてしまう。あなたが目指したいのは行政書士になることなのか、それともそれなりに難易度と知名度があって受験資格が緩い試験に挑んでちやほやされたいことなのか、どちらなのかしっかり考えるべきである。

行政書士の実務は行政書士試験の科目とは異質である。一発合格した行政書士も50回目の試験で合格した行政書士も、行政書士としては全くゼロからのスタートだ。クライアントにとっては何回の試験で何点で合格したかなんて全く興味が無い。大切なのは依頼をきちんと遂行してもらえるかなのだ。資格試験は合格点に達しさえすればそれで良いので、無駄に高得点を狙う必要も無い。

見栄は勉強の大敵のうちの一つだ。

 

 

行政書士試験に2ヶ月で合格する為の勉強法

 

■一問一答式の過去問を用意する

テキストを通読する暇は無いので、いきなり過去問を解いてみる。知識があやふやであってもこの時点では構わない。

なぜ一問一答式の問題集を用意するかというと、五肢択一式の問題集では消去法で正誤を判断しがちだからである。

次に一問一答式の過去問の使い方を具体的に説明する。

 

■過去問一周目:違和感のあるフレーズを書き出す

私が取った勉強法は、各問ごとの正誤の根拠を明確に答えられるようにする、というものである。言い換えれば、何も見ずにその問の解説文を書き出す作業である。

問題文を読んだらいきなり正誤を判断するのではなく、違和感を感じたフレーズをノートに書き出してみる。書き出す、という作業が時間の無駄と感じる人もいるかもしれないが、後々記述式の練習に繋がるので私はこの方法をとった。

 

例えば「AはBの場合はCとなるので○○することはできない」という問題文を読んだときに、この「できない」が何となく引っかかる、程度の違和感でもよい。そう思ったら「○○することはできない」とノートに書いておく。

 

 

■過去問一周目:違和感を感じた部分と解説文を照らし合わせる

答え合わせに移るがここで大切なのは問題の正誤が合っていたかどうかでは無い。先程書き出した違和感のあるフレーズが、解説文でもそう触れられているかどうかである。仮にこの時、正誤が合っていたとしても、自分で違和感を覚えたフレーズが全く的はずれだった場合は誤答とみなす。

例えば先程の例でいえば「○○できない」という部分ではなく「Bの場合は」というフレーズに誤りがあると解説されていたなら、誤答とする。

 

■過去問二周目:間違えた問題のみ解き直す

ここでも効率化のため、二周目は間違えた問題のみ解くことにする。解き方と答え合わせの方法は一周目のときと同じで、違和感のあるフレーズを書き出して回答と照らし合わせる。

できれば違和感のあるフレーズを卒業して、正誤の根拠をまとめられる様になれば理想的である。先の例なら「Bの場合は」の部分が誤りとしたが、なぜBの場合だと誤りとなるのか、その理由も説明できるようにする。

この段階でテキストや六法を参照することもあるが、ひとまずは解説文を暗記する程度の心構えでよい。

 

 

■過去問三周目:全ての問題を頭から解き直す

三周目でもう一度全ての問題を頭から解き直してみる。この時、一周目では理解していたつもりの問題でも、まだ十分理解が及んでいないことに気づくだろう。

さて解き方である。違和感のあるフレーズを完全に卒業し、問題の解説文を何も見ずに完全に書けるようにする+αまで持っていきたい。

 

また先程の例題に戻る。

「AはBの場合はCとなるので○○することはできない」

 

  • Bの場合に○○できない理由は何か?
  • Bの場合にCとならないケースはあるか?
  • Bの場合にCではなくDとなったらどうなるか?
  • Aの定義や要件は何か?
  • ○○できないと結論づけた判例の名称や、根拠条文は何か?

…etc.

思いつく限りの論点を完璧に説明できるようにする。これらの作業を繰り返すことで択一式の問題だけでなく、記述式を解くために必要な問題演習力も身についていくのである。

テキストや六法を本格的に使うとしたらこのタイミングであろう。私は間違えた問題のページと番号を、テキストや六法の該当するページに書き込んでいた。テキストを汚さないほうが読みやすいという人はそれでも良いと思う。

 

■四周目以降:予想問題集と並行して繰り返し解く

過去問題集三周目あたりから行政書士試験の問題に慣れてくるので、ここで並行して予想問題集を解くことにする。

 

予想問題集とはいえ、実際の試験でどれだけ的中するかはわからない。

ここで練習するのは、見たことの無い問題でも過去問のときと同じように冷静に、根拠を挙げながら問題を解くことであって、決してヤマ当てでは無い。きちんとテキストの内容を理解していたのに、少し問題文の形が違うだけで焦って間違えてしまったという経験を持つ人は多いだろう。

 

 

■模擬試験の受け方

2回より多く受ける必要は無いと思う。模擬試験を一度受けると一日潰れてしまい、復習まで手が回らないからだ。

模試で出た問題をそのまま解き直す、という方法は時間の無駄なのでしない。採点して間違いの多かったジャンルを探し、それに該当する過去問と予想問題集を重点的に演習すればよい。

 

 

 

以上が私の基本的な勉強法である。行政書士試験は俗に800時間必要だというが、私の合格年度の総学習時間は200時間程度である。これは短時間の学習で済むという話ではない。1時間のうちに解く問題を限りなく多くし、1分の間に理解する文言をギリギリまで増やす作業が必要だということである。仮に一日10時間勉強していたとしてもダラダラやっていたのでは意味がない。1時間で180問解いた受験者と10時間で100問しか解けない受験者であれば、合格するのは前者だ。

行政書士試験の問題は一問あたり平均3分以内で解かないと間に合わない)

 

短期間で一発合格、誰でも簡単に受かるという言葉に惑わされず、地道に頑張って欲しい。

 

テキストの通読は無駄 行政書士に独学で受かるためのテキストの使い方

テキストを通読してから問題集を解く。

行政書士に限らずあらゆる勉強において薦められる方法だ。

しかし、私はこの方法を取らなかった。理由は通読によって理解が深まるとは思えなかったことと、私が手を動かさずに文字だけ読んでいると眠くなる質だったからだ。

とはいえテキストを全く使わなかったわけではない。以下に私の行政書士試験テキスト活用法をまとめていく。

 

 

要点だけなら問題集の解説だけでもOK

問題集の解説文とテキストの説明。

ある程度勉強を進めていくと気づくのだが、実はこれらは、ほとんど内容が同じである。テキストのほうがより詳しく書いてあるかといえば、そうでもない場合が多いのだ。

要点だけなら問題集の解説を読むだけでも十分頭に入る。初学者は特に、この解説文を覚える事を第一の目標にして欲しい。

 

 

テキストを通読したところで、実際の試験範囲には届かない

行政書士の試験範囲は広い。

出題科目は決まっているが、ほぼ毎年のように難問・奇問が混じっている。それらを完璧に解くための知識は、テキストを読むだけでは到底得られない。

 

そう思って司法書士試験や予備試験のテキストまで使い、行政書士試験に挑む受験生がいる。だがこれはあまり効率的な方法ではないだろう。行政書士試験の過去問を100%解けるようになり、なおかつよほど時間が余っているというような例外的な場合でない限りおすすめできない。

 

資格試験には「必ずここだけは押さえて欲しい」という知識を問う問題が出題される。言い換えれば、これらの問題でミスさえしなければ受かる、という作り方をしているのだ。

難問・奇問対策より先にこちらを優先すべきである。

 

では「必ずここだけは押さえて欲しい」という問題とは何か。

それは過去問の頻出事項である。

過去問で頻出する論点は何かを知らずにテキストを読もうとしても、どこが重要なのかわからなくなってしまう。そして通読に挫折し、勉強方法も迷子になってしまうのだ。

 

テキストの通読より先に過去問を解いてほしい。知識が無いから解けない、という人は多いだろう。

そんな人はまず

独学2ヶ月で行政書士試験に合格した勉強法 - 10年と2ヶ月で行政書士試験に合格した私のブログ

こちらを読んでほしい。大切なのは正解を増やすことではなく「違和感のあるフレーズ」を見つけることだ。

 

 

テキストの使い方

ここからテキストの使い方を具体的に解説する。

流れとしては次のとおりである。

 

  1. 過去問を解く
  2. 間違えた問題をチェックする
  3. テキストの該当するページに、間違えた問題の番号等を書く
  4. 書き込みの多いページを重点的に学習する

 

 

1. 過去問を解く

過去問の解き方は過去の記事を参考にして欲しい。○か☓かを言い当てるのではなく、何も見ずに回答解説文を書けるようにする訓練を行う。

独学2ヶ月で行政書士試験に合格した勉強法 - 10年と2ヶ月で行政書士試験に合格した私のブログ

問題文の中から違和感のあるフレーズを見つける。

答えが☓だと思うなら、その根拠を書き出す。

書き出した根拠が解説文の通りかどうかを確かめる。

 

 

2. 間違えた問題をチェックする

「間違えた問題」とは回答が異なる問題の事ではない。一見正解であっても、自分が考えた根拠が全く的はずれな事がある。

そういう物は「間違えた問題」に分類する。それぞれ何という問題集の第何問を間違えたかを確認。

 

 

3. テキストの該当する、間違えた問題の番号等を書く

例えば、民法法定地上権に関する問題を間違えたとする。そうしたらテキストを開き、法定地上権について説明しているページに書き込みをする。

書く内容は、どの問題集の第何問目か、あるいは何ページ目かである。それ以上は細かく書かなくてもいい。

 

この作業をしていると、所々テキストより問題集の解説のほうが詳しく書いてある箇所もあることに気づくと思う。テキストを通読するだけでは実際の問題で問われる知識に届かない。

つまり「テキストをしっかり通読したのに全然問題が解けるようにならない」と落ち込まなくても良い、ということである。足りない知識は問題演習で後々仕入れればいいのだ。

 

 

4. 書き込みの多いページを重点的に学習する

今まで行った作業の目的は、自分の弱点を洗い出すことである。要するに、書き込みの多いページが自分の弱点であるので、その単元を重点的に学習すれば良いのだ。

 

テキストをただ初めから通読しても迷子になるだけだと上の方に書いた。しかし、こうやって自分の弱点を洗い出しておけば、どのページからテキストを読んでいけばいいかわかりやすくなる。

 

私は手を動かすタイプの勉強法が好きなので、弱点に対応する問題集をひたすら解くことに努めた。読むほうが頭に入るという人なら、書き込みの多いページをとことん読み、関連する条文や判例まで手を広げていけばいいと思う。

 

 

このように、私はテキストを通読するのではなく、自分の弱点を分析するツールとして活用した。通読に挫折しそうな人はぜひ試してほしい。

SNSアプリは全てアンインストールせよ、ゲームは残しておいても良い

SNS行政書士試験に百害あって一理なし

私は行政書士試験に備えて、SNSアプリをすべてアンインストールした。

その理由はネガティブな情報を遮断するためである。

試験の情報収集のためにSNSは続けたい、という人もいるかもしれない。

断言するが、SNSで得られる情報の中に、試験に有用な物は無い。

 

行政書士というのは何故か軽んじられる資格である。テキストを読めば誰でも受かる資格だとか、取っても意味が無い資格だとか言われる。本来そのような事を言うのは行政書士として食えてない人間であるから相手にする必要は無い。

SNSは、この手の戯言が蔓延する場所である。望んでもいないのに、向こうから不愉快な発言が次から次へと流れてくる仕組みなのだ。

 

不愉快な発言は行政書士に関する戯言だけでは無い。ただの日常の愚痴(家族への不満、男女間の不要な対立など)が、さも大きな社会問題であるかの様に関心を集めている。それを眺めていると、自分もこの議論に参加せねばならぬと思えてくる。

 

そんな事に考える時間と労力を、まず第一に勉強に費やせないだろうか。あなたは1ヶ月前にSNSで「炎上」した話題を思い出せるだろうか。おそらく無理だと思う。

 

SNSアプリをアンインストールしてみると、私達が普段どれだけ不要な情報に囲まれて過ごしているかがよくわかる。時事問題を知りたければ新聞や書籍のほうがずっと信頼できるし、一般知識問題の対策にもなる。

 

 

■『SNS辞めます宣言』で試験後の自分の姿が見えてくる

私は試験に備えてSNSアプリをアンインストールする事を投稿した。フォロワーには付き合いの長い友人もいたので、念の為心配させないように気を遣った。

するとフォロワーたちから

「試験頑張ってね!」

「合格してまた戻ってきてください!」

という応援の声が飛んでくる。

 

ここまで応援されたからには受からないとかっこ悪い。それ以来私は、どんなコメントとともにSNSに再浮上するかを考えた。

 

やはり「皆さんの応援のおかげで合格できました!」という一言と共に帰ってくるのが一番かっこいいだろう。

 

SNSをやめたことで、合格した自分の姿を常に想像しながら勉強する事ができた。ポジティブな形で自分を自分で追い込めたのだろう。

そして当初の目標通り

「皆さんの応援のおかげで合格できました!」

という言葉とともに帰ってくることができた。

 

 

■ゲームは一日1時間

そんな私でも、ゲームアプリは唯一残しておいた。

かつて東大に現役合格した学生たちの勉強法をインタビューしたTV番組を見たことがある。彼らは勉強しかしていなかった訳ではなく、娯楽の時間をきっちりと設けていた。それに倣い私も一日1時間のゲームを日課にしていた。

 

ただし、娯楽の時間を設けるなら次のことはしっかり守ってほしい。

 

  1. フレンド機能ありきのゲームは禁止
  2. ベッドの中、机の上でのゲームは禁止
  3. ゲームをする時間と場所は固定せよ
  4. ゲームアプリの通知は切れ
  5. 以上を守れないなら即アンインストール

 

1.の理由は、フレンドの都合に合わせてしまい、ゲームをやめるタイミングをつい逸してしまうからだ。一昔前のテレビゲームの様に、自分一人でコツコツと作業するタイプのゲームにするべきである。

 

2.は、勉強をする場所と娯楽の場所は明確に分けるという意味である。

私はゲームをする時はリビングのソファの上と決めており、それ以外の場所では絶対にゲームをしないようにした。勉強部屋や寝室にスマートフォンを持ち込む事さえしなかった。

そのお陰で部屋中にスマートフォンの存在が気になる事も無かったし、睡眠時間をオーバーしてまでゲームをすることも無かった。

3.も同様である。学校の時間割に休み時間が決めてある様に、娯楽の時間も一日の何時から何時までとはっきり決めておく。決めた時間と場所以外では絶対にやらない。

 

4.についてであるが、通知機能のついたゲームは多いだろう。「今からボーナスタイム開始!」とか、その他のゲームに関する情報のポップアップ通知が入るものだ。

このポップアップ通知があるとつい気になって、勉強中であってもゲームを始めてしまう人がいる。ボーナスタイムという響きに惹かれるのだろう。

ゲーム内でしか通用しない通貨やアイテム類のために勉強時間を潰すなど、全くもって馬鹿げていると思わないだろうか。この邪魔なポップアップ通知はスマートフォンの設定機能から切ることができる。

 

これらのうち1つでも守れないというなら、5.の「即アンインストール」である。

行政書士試験は休憩無しで3時間の長丁場である。その試験の最中でさえゲームの事が気になって仕方が無い、なんて事にならないように。

 

 

 

10年間行政書士試験を不合格になり続けた勉強法

私が行政書士試験の勉強を始めたのは約10年前である。受験回数は合格年度と合わせて5回程度になると思う。

不合格を繰り返していた頃は「どうして合格できないのだろう」と悩んでいたが、合格した今ではその理由がよくわかる。以下にそれらを記していく。

 

 

10年間行政書士試験を不合格になり続けた勉強法

 

 

■受験しなかった

見出しを読んで馬鹿にするなと言いたくなる人もいるかもしれない。しかし、このように言い方を変えたらどう思うだろうか。

 

「今年の試験は時間が足りなかったので、来年に見送る事にしました」

 

このような受験生が来年本当に受験するかといえば、そうでもない。受験を先延ばしにして、結局なんだかんだと理由をつけて受けずじまいに終わってしまう。

合格点に満たずに不合格になろうと、受験会場に足を運ばずに終わろうと、どちらも行政書士資格を得られなかった事に変わりない。後者については野球で言うところの「見逃し三振」であり、余計にみっともない。ところが受験生の中には、この見逃し三振のほうが賢い戦略であるかのように勘違いする者がいるのだ。

 

過去の自分がそうである。受験しない限りは不合格にならない。そう思っていつまで経っても本気で受験しようとしなかった。

これこそが「一発合格」の罠である。一発で合格することばかり夢見ていると、一発で合格できる見込みが無い限り受験しようと思えなくなる。そしてズルズルと受験を先延ばしにしてしまう。

 

時間が全く足りないと思っても、願書の提出が間に合うならば必ず受験して欲しい。たった一度の実戦経験であっても、自宅でテキストを読む以上の知識をもたらしてくれる。取り敢えず試験を解いてみれば、万が一の奇跡が起きて合格しないとも限らない。だが、試験会場に足を運ばなければ合格する確率は完全にゼロである。

 

 

■勉強時間が足りていない

前回の記事で、私が合格した年度の総学習時間は約200時間程度だと書いた。そして一般的に行政書士試験合格に必要とされる学習時間は800時間である。

 

 

勉強時間が足りていないというのは、この200時間の事ではない。10年間ダラダラと勉強していたという事だ。

勉強の濃度が薄い、と言ってもいいかもしれない。机に向かっていた時間に対して、頭を働かせていた時間が少なすぎたという意味である。

 

  • 苦手な問題はやらない
  • 出題数が少ないと言われる問題はやらない
  • 回答の根拠を考えず、漫然と問題の正誤を当てるだけ
  • 六法を引かない
  • 模試に行かない
  • 予備校や通信教育の課題しかやらない

 

これだけやらない事だらけでも、ダラダラと勉強していると時間だけはいつの間にか経っている。そして学習時間だけを見て、自分は十分に勉強したと思いこんでしまうのだ。

逆にいうと、勉強の濃度を上げていけば1日2時間程度の学習でも合格は夢ではない。仕事などで長時間の学習時間が取れない人は、この濃度をいかに上げるかを考えて勉強してほしい。

 

 

行政書士に関するネガティブな情報につい目が行く

インターネットの検索を通じて当ブログに辿り着く前に、行政書士資格に関するネガティブな記事をつい読んでしまったという人もいるだろう。

 

行政書士なんて取るだけムダ」

「国家資格の中でも底辺」

「一度で受からないバカなんているの?」

 

勉強法をインターネットで検索している時というのは、大抵は自分の学力に自信を無くしている状態である。そんな時に上記のような言葉を目にしたらどうなるか。

私には、これらの言葉が行政書士試験を受けなくても(受からなくても)良いということの、言い訳に使える言葉に聞こえた。合格できなかったとしても「取るだけムダ」な資格だからどうでもいい。

そして受験会場に足を運ばず、格好いいと勘違いした見逃し三振をするのである。

 

さて、「行政書士なんて取るだけムダ」という記事(大体、Yahoo!知恵袋の様なサービスか、大型掲示板の書き込みであろうが)を書いているのはどんな人物であろう。

少なくとも行政書士として食えている人間では無いことは確かだ。普通、自分が得た資格や職業を好きで悪く言う人などいない。行政書士として活躍している人物ならば、その資格に誇りを持ち、もっと多くの人に自分の仕事の良さを知ってもらおうとするのが自然である。

 

行政書士についてネガティブな情報を流すのは、行政書士として食えていないか、あるいは合格すら出来ていない人間である。それどころかテキストを読む段階で挫折したかもしれない。

試しに他の国家資格の名前でもいろいろ検索をしてみて欲しい。あらゆる資格において「○○なんて取るだけムダ」という書き込みがザクザク出てくる。また、取るだけで一生安泰などという資格は一切存在しない事を理解しておくべきだ。

 

 

■過去問を繰り返し解いて、正解が増えただけで満足する

「過去問は役に立たない」と言うタイプがこれだ。

過去問の各肢は基本的に○か、☓の二択であり、当てずっぽうで解いても50%の確率で正解する。繰り返し解けば答えを暗記してしまうので、さらに正解する確率は上がる。

これを、理解したと勘違いしてしまう。実際は○か☓かを言い当てられるようになっただけだ。問題の根本が理解できているわけではないので、少し変わった形式の出題になると全くお手上げになる。

これが「過去問は役に立たない」の正体だ。過去問が役に立たないのではなく、○☓クイズ感覚で解いていたから全然理解につながっていないというだけである。

 

過去問を効果的に使うには、○か☓かといった結論だけではなく、それに至る根拠をきちんと書けるようにするべきである。問題を読んだら、その解説文を何も見ずに書き出すようなトレーニングが必要である。詳しくは前回の記事を参照にして欲しい。

 

 

■有名予備校に頼れば何とかなると思っている

予備校は頼るところでは無い。活用するところだ。通うのであればどのようなサポート体制があり、それをどう使うかを計画しておくべきだ。ぼんやり授業を受けていれば助けてくれるという場所では無い。

有名予備校の授業に幻想を抱く受験生は多いだろう。独学では得られないような魔法の解法を教えてもらえると思っているだろう。

それは幻想だ。ただテキストを文字のまま読み

「ここをちゃんとやっておいて下さい」

としか言わない講師は珍しくない。

 

合格した年の勉強を振り返ると、ほぼ独学でなにかしていたという記憶しかない。多少予備校の直前講座には頼ったが、それよりも自分で購入した問題集を繰り返し解いている時間のほうが長かった。むしろ予備校に何かしてもらったという記憶が無い。有名予備校出身者が自己紹介する時に、誰のなんという講師の授業を受けていたかを真っ先に申し出るのが、不思議に思えてくる。

 

カリスマ講師のブログを読めという人もいるが、私はおすすめしない。手に入る知識は断片的なものであり、掴みどころが無く、ただ知識不足を責められているようで焦ってしまうというのが正直な感想だ。

 

 

 

まだまだ語ろうと思えばいくらでも出てきそうだが、これが私が10年間失敗し続けた勉強法だ。少しでも当てはまっているならばすぐに修正して欲しい。