10年と2ヶ月で行政書士試験に合格した私のブログ

実質2ヶ月の独学で行政書士試験に合格するための勉強法

10年間行政書士試験を不合格になり続けた勉強法

私が行政書士試験の勉強を始めたのは約10年前である。受験回数は合格年度と合わせて5回程度になると思う。

不合格を繰り返していた頃は「どうして合格できないのだろう」と悩んでいたが、合格した今ではその理由がよくわかる。以下にそれらを記していく。

 

 

10年間行政書士試験を不合格になり続けた勉強法

 

 

■受験しなかった

見出しを読んで馬鹿にするなと言いたくなる人もいるかもしれない。しかし、このように言い方を変えたらどう思うだろうか。

 

「今年の試験は時間が足りなかったので、来年に見送る事にしました」

 

このような受験生が来年本当に受験するかといえば、そうでもない。受験を先延ばしにして、結局なんだかんだと理由をつけて受けずじまいに終わってしまう。

合格点に満たずに不合格になろうと、受験会場に足を運ばずに終わろうと、どちらも行政書士資格を得られなかった事に変わりない。後者については野球で言うところの「見逃し三振」であり、余計にみっともない。ところが受験生の中には、この見逃し三振のほうが賢い戦略であるかのように勘違いする者がいるのだ。

 

過去の自分がそうである。受験しない限りは不合格にならない。そう思っていつまで経っても本気で受験しようとしなかった。

これこそが「一発合格」の罠である。一発で合格することばかり夢見ていると、一発で合格できる見込みが無い限り受験しようと思えなくなる。そしてズルズルと受験を先延ばしにしてしまう。

 

時間が全く足りないと思っても、願書の提出が間に合うならば必ず受験して欲しい。たった一度の実戦経験であっても、自宅でテキストを読む以上の知識をもたらしてくれる。取り敢えず試験を解いてみれば、万が一の奇跡が起きて合格しないとも限らない。だが、試験会場に足を運ばなければ合格する確率は完全にゼロである。

 

 

■勉強時間が足りていない

前回の記事で、私が合格した年度の総学習時間は約200時間程度だと書いた。そして一般的に行政書士試験合格に必要とされる学習時間は800時間である。

 

 

勉強時間が足りていないというのは、この200時間の事ではない。10年間ダラダラと勉強していたという事だ。

勉強の濃度が薄い、と言ってもいいかもしれない。机に向かっていた時間に対して、頭を働かせていた時間が少なすぎたという意味である。

 

  • 苦手な問題はやらない
  • 出題数が少ないと言われる問題はやらない
  • 回答の根拠を考えず、漫然と問題の正誤を当てるだけ
  • 六法を引かない
  • 模試に行かない
  • 予備校や通信教育の課題しかやらない

 

これだけやらない事だらけでも、ダラダラと勉強していると時間だけはいつの間にか経っている。そして学習時間だけを見て、自分は十分に勉強したと思いこんでしまうのだ。

逆にいうと、勉強の濃度を上げていけば1日2時間程度の学習でも合格は夢ではない。仕事などで長時間の学習時間が取れない人は、この濃度をいかに上げるかを考えて勉強してほしい。

 

 

行政書士に関するネガティブな情報につい目が行く

インターネットの検索を通じて当ブログに辿り着く前に、行政書士資格に関するネガティブな記事をつい読んでしまったという人もいるだろう。

 

行政書士なんて取るだけムダ」

「国家資格の中でも底辺」

「一度で受からないバカなんているの?」

 

勉強法をインターネットで検索している時というのは、大抵は自分の学力に自信を無くしている状態である。そんな時に上記のような言葉を目にしたらどうなるか。

私には、これらの言葉が行政書士試験を受けなくても(受からなくても)良いということの、言い訳に使える言葉に聞こえた。合格できなかったとしても「取るだけムダ」な資格だからどうでもいい。

そして受験会場に足を運ばず、格好いいと勘違いした見逃し三振をするのである。

 

さて、「行政書士なんて取るだけムダ」という記事(大体、Yahoo!知恵袋の様なサービスか、大型掲示板の書き込みであろうが)を書いているのはどんな人物であろう。

少なくとも行政書士として食えている人間では無いことは確かだ。普通、自分が得た資格や職業を好きで悪く言う人などいない。行政書士として活躍している人物ならば、その資格に誇りを持ち、もっと多くの人に自分の仕事の良さを知ってもらおうとするのが自然である。

 

行政書士についてネガティブな情報を流すのは、行政書士として食えていないか、あるいは合格すら出来ていない人間である。それどころかテキストを読む段階で挫折したかもしれない。

試しに他の国家資格の名前でもいろいろ検索をしてみて欲しい。あらゆる資格において「○○なんて取るだけムダ」という書き込みがザクザク出てくる。また、取るだけで一生安泰などという資格は一切存在しない事を理解しておくべきだ。

 

 

■過去問を繰り返し解いて、正解が増えただけで満足する

「過去問は役に立たない」と言うタイプがこれだ。

過去問の各肢は基本的に○か、☓の二択であり、当てずっぽうで解いても50%の確率で正解する。繰り返し解けば答えを暗記してしまうので、さらに正解する確率は上がる。

これを、理解したと勘違いしてしまう。実際は○か☓かを言い当てられるようになっただけだ。問題の根本が理解できているわけではないので、少し変わった形式の出題になると全くお手上げになる。

これが「過去問は役に立たない」の正体だ。過去問が役に立たないのではなく、○☓クイズ感覚で解いていたから全然理解につながっていないというだけである。

 

過去問を効果的に使うには、○か☓かといった結論だけではなく、それに至る根拠をきちんと書けるようにするべきである。問題を読んだら、その解説文を何も見ずに書き出すようなトレーニングが必要である。詳しくは前回の記事を参照にして欲しい。

 

 

■有名予備校に頼れば何とかなると思っている

予備校は頼るところでは無い。活用するところだ。通うのであればどのようなサポート体制があり、それをどう使うかを計画しておくべきだ。ぼんやり授業を受けていれば助けてくれるという場所では無い。

有名予備校の授業に幻想を抱く受験生は多いだろう。独学では得られないような魔法の解法を教えてもらえると思っているだろう。

それは幻想だ。ただテキストを文字のまま読み

「ここをちゃんとやっておいて下さい」

としか言わない講師は珍しくない。

 

合格した年の勉強を振り返ると、ほぼ独学でなにかしていたという記憶しかない。多少予備校の直前講座には頼ったが、それよりも自分で購入した問題集を繰り返し解いている時間のほうが長かった。むしろ予備校に何かしてもらったという記憶が無い。有名予備校出身者が自己紹介する時に、誰のなんという講師の授業を受けていたかを真っ先に申し出るのが、不思議に思えてくる。

 

カリスマ講師のブログを読めという人もいるが、私はおすすめしない。手に入る知識は断片的なものであり、掴みどころが無く、ただ知識不足を責められているようで焦ってしまうというのが正直な感想だ。

 

 

 

まだまだ語ろうと思えばいくらでも出てきそうだが、これが私が10年間失敗し続けた勉強法だ。少しでも当てはまっているならばすぐに修正して欲しい。