テキストの通読は無駄 行政書士に独学で受かるためのテキストの使い方
テキストを通読してから問題集を解く。
行政書士に限らずあらゆる勉強において薦められる方法だ。
しかし、私はこの方法を取らなかった。理由は通読によって理解が深まるとは思えなかったことと、私が手を動かさずに文字だけ読んでいると眠くなる質だったからだ。
とはいえテキストを全く使わなかったわけではない。以下に私の行政書士試験テキスト活用法をまとめていく。
要点だけなら問題集の解説だけでもOK
問題集の解説文とテキストの説明。
ある程度勉強を進めていくと気づくのだが、実はこれらは、ほとんど内容が同じである。テキストのほうがより詳しく書いてあるかといえば、そうでもない場合が多いのだ。
要点だけなら問題集の解説を読むだけでも十分頭に入る。初学者は特に、この解説文を覚える事を第一の目標にして欲しい。
テキストを通読したところで、実際の試験範囲には届かない
行政書士の試験範囲は広い。
出題科目は決まっているが、ほぼ毎年のように難問・奇問が混じっている。それらを完璧に解くための知識は、テキストを読むだけでは到底得られない。
そう思って司法書士試験や予備試験のテキストまで使い、行政書士試験に挑む受験生がいる。だがこれはあまり効率的な方法ではないだろう。行政書士試験の過去問を100%解けるようになり、なおかつよほど時間が余っているというような例外的な場合でない限りおすすめできない。
資格試験には「必ずここだけは押さえて欲しい」という知識を問う問題が出題される。言い換えれば、これらの問題でミスさえしなければ受かる、という作り方をしているのだ。
難問・奇問対策より先にこちらを優先すべきである。
では「必ずここだけは押さえて欲しい」という問題とは何か。
それは過去問の頻出事項である。
過去問で頻出する論点は何かを知らずにテキストを読もうとしても、どこが重要なのかわからなくなってしまう。そして通読に挫折し、勉強方法も迷子になってしまうのだ。
テキストの通読より先に過去問を解いてほしい。知識が無いから解けない、という人は多いだろう。
そんな人はまず
独学2ヶ月で行政書士試験に合格した勉強法 - 10年と2ヶ月で行政書士試験に合格した私のブログ
こちらを読んでほしい。大切なのは正解を増やすことではなく「違和感のあるフレーズ」を見つけることだ。
テキストの使い方
ここからテキストの使い方を具体的に解説する。
流れとしては次のとおりである。
- 過去問を解く
- 間違えた問題をチェックする
- テキストの該当するページに、間違えた問題の番号等を書く
- 書き込みの多いページを重点的に学習する
1. 過去問を解く
過去問の解き方は過去の記事を参考にして欲しい。○か☓かを言い当てるのではなく、何も見ずに回答解説文を書けるようにする訓練を行う。
独学2ヶ月で行政書士試験に合格した勉強法 - 10年と2ヶ月で行政書士試験に合格した私のブログ
問題文の中から違和感のあるフレーズを見つける。
答えが☓だと思うなら、その根拠を書き出す。
書き出した根拠が解説文の通りかどうかを確かめる。
2. 間違えた問題をチェックする
「間違えた問題」とは回答が異なる問題の事ではない。一見正解であっても、自分が考えた根拠が全く的はずれな事がある。
そういう物は「間違えた問題」に分類する。それぞれ何という問題集の第何問を間違えたかを確認。
3. テキストの該当する、間違えた問題の番号等を書く
例えば、民法の法定地上権に関する問題を間違えたとする。そうしたらテキストを開き、法定地上権について説明しているページに書き込みをする。
書く内容は、どの問題集の第何問目か、あるいは何ページ目かである。それ以上は細かく書かなくてもいい。
この作業をしていると、所々テキストより問題集の解説のほうが詳しく書いてある箇所もあることに気づくと思う。テキストを通読するだけでは実際の問題で問われる知識に届かない。
つまり「テキストをしっかり通読したのに全然問題が解けるようにならない」と落ち込まなくても良い、ということである。足りない知識は問題演習で後々仕入れればいいのだ。
4. 書き込みの多いページを重点的に学習する
今まで行った作業の目的は、自分の弱点を洗い出すことである。要するに、書き込みの多いページが自分の弱点であるので、その単元を重点的に学習すれば良いのだ。
テキストをただ初めから通読しても迷子になるだけだと上の方に書いた。しかし、こうやって自分の弱点を洗い出しておけば、どのページからテキストを読んでいけばいいかわかりやすくなる。
私は手を動かすタイプの勉強法が好きなので、弱点に対応する問題集をひたすら解くことに努めた。読むほうが頭に入るという人なら、書き込みの多いページをとことん読み、関連する条文や判例まで手を広げていけばいいと思う。
このように、私はテキストを通読するのではなく、自分の弱点を分析するツールとして活用した。通読に挫折しそうな人はぜひ試してほしい。